「おーい!

「へ?あ、竹谷先輩」

「いきなりで悪いんだが、今日暇か?」

「今日ですか?…えぇっと暇d「、授業遅れるよ」

「え。すみません竹谷先輩、次移動教室で…」


と困ったように語尾を濁すに俺はメールするよと返しは礼儀正しく一礼をし綾部を追った
また邪魔されたと気付くのにそんな時間はかからなかったが、まさか邪魔をするのが綾部とは…悔しい


「だぁああ!みんなして俺の恋を邪魔をするんだ!」

「どうしてって取られたくないからだろ」

「だよなぁーって三郎いつからいたんだよ!」


後ろからにゅるりと現れた三郎に文句を言いつつ溜息
そう俺、竹谷八左ヱ門は絶賛片想い中だ
相手は先程の子で実は幼馴染みの妹。年は一つ下
ニコって笑う姿を見たときから俺のハートを鷲掴みにされた
兄と同じく艶々の髪を薄紫色のシュシュで結わいており、そのスタイルは基本的に変わらない
たまに同じクラスの斉藤タカ丸に別の髪型に結われている姿を見かける
今日はバイトもないし委員会もない。故にを誘って何処かに行こうと思っていたのだが…それは叶わないだろう
さ、教室行くかとニタニタと笑う三郎を放置して廊下を歩く
──途中隣のクラスの兵助に睨まれた気がする
だぁぁあもう!みんなして俺をそんな目で見るな!
もういいや次の授業寝よう…



***



「八左ヱ門、またを誘っただろ」

「誘う前に綾部に邪魔されてたけどな」

「懲りないねハチも」

「みんなして俺を虐めるな!!」


昼休み、いつもの面子でご飯を食べる
どこから漏れたのか兵助に睨まれ三郎に貶された俺
ぐすんっとしてたら三郎にキモいと言われたので三郎の弁当から唐揚げを拝借してやった
──そう、の兄は今ここにいる久々知兵助である


「あ、お兄ちゃんここにいた」

「あれ?ちゃん」


と屋上の扉が開くと同時に聞こえた声にハッとする
そこにいたのはお弁当を持った
髪型はタカ丸さんが結わいたのか緩めのおさげに変わっていた
可愛いなと思っていれば兵助と勘右衛門が少しずつスペースを開けてちょこんとそこに座り込んだ


「どうしたのだ?」

「皆忙しいんだって…」


しゅんっとするにキュンっとくる
何かと兵助を捜しに来ることは多い
理由はどうであれを一緒の時間を過ごせるのなら文句など言うまい(寧ろテンションが上がる)


「お邪魔でした…?」

「そんなこと「大丈夫だよ」」

「おい!勘右衛門」

「なーに?八左ヱ門」

「クスッ…皆さんありがとうございます」


ふわりっと笑う
かーぁあっと赤くなる頬を押さえる
──反則だろ、あれ!!てか今気づいたんだけど俺の正面だ!
あまりにも自然に入ってきたので気づかなかった。何してんだ俺
勘右衛門への怒りなんて吹っ飛んだ


「竹谷先輩」

「のわっ!…どうした?」

「今日なんですけど、すみません。タカ丸さんに髪整えてもらう約束で…」

「あぁ…ならしょうがないな」

「また誘ってください!」


ニコリと笑うその姿に俺はおうっ!と笑う
そのやり取りを見ていた他の面々は呆れた表情をしていた
おい、お前ら酷くねぇか?
いい加減諦めなよと隣にいた雷蔵から肩を叩かれた
お前ら揃って俺を憐れむなっ!てか、望みがないわけではないんだぞ
決めたぞ絶対告白してやる



***



その日から告白大作戦(仮)が始まった






筈なのだが…




、き「勉強教えて」」

「ん?いいよ」




「竹谷先輩こんにちは」

「おうっ!今日一人か?」

「…兄を待ってるんです」


なにかと兵助と綾部に邪魔されてる気がする


「俺、何かした!?」

「俺の妹は渡さないのだ」

「いい加減妹離れしろよ!」


たまたま道端で兵助とあったので質問を投げ掛けてみれば何となく予想できた答えが返ってきた
妹離れ?ナニソレ美味しいの?と鼻で笑う兵助に怒りが込み上げてくる
人の恋路を邪魔しやがって…っ!


「じゃあな、八左ヱ門」

「あ、ちょ待て!」


兵助が消えシーンと静まり返る道路に俺は一つの溜息を吐く
──いつになったらと二人っきりになれるのか…見込みがない気がしてきた


「竹谷先輩?」

「綾部か…」

「明日の昼なら空いてますよ」

「綾部どうしてそれを!」


どこか掴めない雰囲気を醸し出す綾部に理由を問うがさぁ?と首をかしげるだけで何も教えてはくれなかった



***



「おはようございます竹谷先輩」

「ん?か!おはよー」

「おはようございます」

「兵助は?」

「私が出るときはまだ準備をしてましたよ」


おほー!と言うことは誰にも邪魔されないと言うことで!
俺はパチンッと頬を叩きを呼ぶ
何ですか?とコチラを向く彼女の目を見る


「俺、実は…のこと…す、」


だぁぁあもう!なんでこんなときに限って緊張すんだ俺っ!勇気を振り絞れ!
ほんの少し自問自答を繰り返し…再度、アイをみて笑顔を見せる


のことすk「遅刻するよ」

「え、あ、うん…竹谷先輩?」


目の前に邪魔するように現れた兵助に怒りがこみ上げる…がそれよりも恥かしさが勝る
顔を真っ赤にして、しゃがみこんだ俺に心配した様子でコチラを見る
それに答える間も無く、兵助は八左ヱ門だから大丈夫行こ…と訳もわからない返答をしての手を引く
すれ違い様の兵助はハッと鼻で笑いやがった

くそぉおっ!マジあいつなんか豆腐の角に頭ぶつければいいんだ!
──きっと彼は本望だと言って鼻で笑うのだろう…

あぁ…一体俺はいつになったら告白できるのか


告白パニック
 昨日も今日も明日もずっと…兄と友人に邪魔される




─後書き─
Twitterで知り合いになった方と竹谷夢で語り合って生まれたもの。
兵助妹主人公。一応、シスコン・ブラコン
可愛そうなタケメンのお話でした。
2013.11.3:名前変換できなかったので直しました。ご迷惑おかけいたしました。