「……それ待った!!俺が選ぶ!」



バンッという音と共に誰かが入って来た

店員は何ごとかと驚き、杖を構える

はというと呆れた顔をして、めんどくさそうにユウタ……と呟いた



「…お、お客様!?」

「……すみません。私の連れです」



はユウタの頭をグリグリとしながら謝る

ユウタはきっと反省していない



「で、選んでいいのか…?」

「言ったって聞かないんだから、早く選んでしまって」



このあと行かないと行けないところがあるの

は呟くとユウタはやる気を出しカタログをみて話出した

少し、店員にも熱が入ったらしく数分後には1着でいいのに2着のドレスに決った

1着目は黒色で、胸元に紅い薔薇が刺繍されているだけのロングドレス

2着目は家を尊重してか、光の加減で赤く見えるこれまた黒のドレスで、下の方は黒いレースになっている

それは、にとても似合っている



「制服は午後には仕上がりますが、ドレスの方は少し時間がかかりますが……」

「現当主邸に送ってくださる?」

「か、かしこまりました、ありがとうございました!」



店員は、まさか、家の者とは思わなかったらしく、少しビックリしながらとユウタを店の前まで送り、深々と頭を下げて見送った



「アンタのせいで時間がかかったんだけど?」



全く、これじゃあ本屋に行く時間がないじゃない

と怒りを混めて睨めば

ユウタは、少し反省した様子でごめんと呟いた

あくまで様子なので本当に反省してるか分からないけど



「で、なんでこんな所にいるのかしら?家次期当主様”



がこんな皮肉を言うのは珍しい、きっとまだ怒っている



「それは、お前だろ?……母上たちと今は別行動中、杖買って来いだとさ」



たく、めんどくさと呟けばはそう…と答えスタスタと足を進める

最も、道は混んでいるのでそこまで進んでないが

それをユウタが追いかける

周りから見ればカップルなのかもしれないが、生憎2人は従姉弟

しかも、ユウタの方には既に結婚を決めている女がいる

まぁ、ようは許嫁

お互い好きらしいが……生憎は会ったことがない



「ここね……」



が呟いた先には

オリバンダーの高級杖専メーカー

は数メートル先にいるユウタを待たずに入って行く



「おや、これは家の娘だな……」

「はい、と申します」



心の中で早く始めて欲しいと思う

無駄話は嫌いだから…



「にしても、赤い目を2度も見ることになるとは……」

「ッ!!……早く始めてもらえませんか?」



その、赤目のヤツのことも聞きたかったが、それ以前に早く終わらせたかった



「すまない。杖腕はどちらかね?」

「左ですね」



すぅーと左手を上げればは足下に飛び降りると同時に巻尺がを測る

いらぬところまで

───時間かかる?

──恐らく

───じゃあ、寝てるわ

──ユウタが入って来るわよ

───………。

はクスクスと笑いの耳にふれた

防音魔法をかけたのだ

これで、はゆっくり寝てるはず



「では、まず……藤の木、ドラゴンの鱗、26センチ」



最後に、ふってみなされ

と呟きに渡すが、振るまえに杖は割れてしまった



「いかんいかん…」



老人は驚きにその杖を机の上に置くように指示し自分は奥の方に入ってった

バタンッ!!

丁度その時物凄い勢いで入ってくる人がいた

は防音魔法をかけているから全く聞こえていない

オリバンダーは杖探しに夢中で聞こえてすらない

ていう事はもろに被害を受けたのはであり、おもいっきりドアを開けたのはユウタであるからはユウタをニッコリと口元を歪ませ睨み付けた



「ッ!!──ごめん、俺が悪かった」

「また、私の邪魔をするの…?ユウタは」

「め、め、滅相も御座いません」



やっぱり、ドレスを選ぶのに時間をかけたのを今もなお怒っており、さらにオリバンダーが変な質問ばかりするものだからの怒りは限界に近い

自分らしくないとは溜息を吐けば、ユウタは…ごめんという顔でこっちをみて来た

家の者ならポーカーフェースを保って欲しい

けれど、は知らない

ユウタがこんなコロコロと表情を変えるのは両親とと許嫁だけだということを…



「お待たせしました……イチイの木、バジリスクの鱗、紅い石、緑の石、蝶の羽根、30センチ
 ……材料が殆ど貴重なモノからなのか今まで選ばれた者はいない」



はその杖が異様な気配を持っていると感じた

しかし、ユウタをみても、なんともないという感じなのではその杖を手に取った

手に取った瞬間、はその杖から暖い間隔が、流れて来るのを感じた



「……っ」



ふと顔を上げて、オリバンダーをみたらニコニコとしていたので少しイラつきもしながら杖をふった



「……おぉ!素晴らしい」



パチパチとオリバンダーが拍手をするので首を傾げればユウタが周りをみろと教えてくれた

周りを見れば、少し埃ぽかったこの店は埃一つない状態へと変化していた

は自分の魔力の強さに頭を抱えたくなった

まだ、考え事しながら魔法を使えば思った以上の力を使ってしまう

きっと無意識なんだけど…………



「お代は?」

「……実はそれはここで作られたモノではないのでな、お代はいりません」

「では、先ほど折ってしまった杖の───」

「そちらは6ガリオンです」



きっとそっちは払ってもらう気満々だったのかの言葉を遮ってに伝えた



「あれ?次行かないのか?」

「丁度いいからアンタのもみていくわ」



ニコリと笑えばユウタはそうだな…と呟きオリバンダーにむいた



「では、ユウタさん杖腕は?」

「右」



と同じようにすーっと右腕をあげれば、巻尺がユウタを測る

その間にオリバンダーは2、3個箱を持ってきた



「先は……銀杏の木、ドラゴンの牙、28センチ、癖が強いが役に立つ」



ふってみなされと言われ、ユウタは、ニヤリと笑い杖をふる

すると杖からキラキラと光る者がでてきた

その光はそのままにかかり、がブルリと震えた

そのの行動には何かに気付きユウタを睨みつつを抱き上げこの店をでていた

ユウタはのその行動に一気に顔が真っ青になった





☆あとがき☆
いったいユウタは何をしたのか…
それは悪戯心から来たものだった。