「、このドレスなんか良いんじゃないかしら?」
「いや、はこっちの方が似合う!」
「勝手にしてよもう…私はなんでもいいんだから……」
「「ダメ」」
はぁ…とは溜息を吐き、窓の外を見た
私、・は現家当主邸に来ていた
あくまで当主邸なので本邸ではい
尤も本邸はが住んでいるところなのだが
当主邸で行われるパーティーは今日にまで迫っていた
先程から行われている討論は私がここに来たときから──つまり、約一週間前からなのだが──ずっと続いている
ユウタと叔母様がずっと飽きずにやっているだ
私はいつもの事なので本日二度目の溜息を吐いての頭を撫でる
あのせいでやりたいこともろくにできない
───、私あれ来てほしい
ふと聞こえた声に耳を傾ければはアレと答え、ユウタが持っているドレスを示した
ユウタが持っているドレス…それは、一枚目に作ったドレスだった
「えぇ……叔母様、私ユウタが持ってるのを着るわ」
「よしっ!」
「何言ってるの?私はの意見を採用しただけだから、別にユウタの意見を採用したわけじゃないわ」
自分が選んだドレスが選ばれたことに喜びを感じていたユウタ
しかしその後のの言葉でガックリと頭を落とした
いい気味…と思ってしまったのは心の中でとどめておくとする
『、決まったか』
「えぇ、最初からに頼めば良かったわ…」
『そうだな…』
はぁ…とは再度溜息を吐いて今度はトゥモローを撫でる
トゥモローの左足には、この前買ったリボンが付いている
「まぁいけない!時間時間」
ふと時計を見れば12時を回っていた
早く食堂行きましょと叔母様は私に笑いかける
そんな笑顔を私に向けなければいいのにと内心で思いつつも叔母様の後ろでを抱いてついていく
「やっと決まったのか…」
「えぇ…はじめからに選んでもらえばよかったって後悔したわ」
「年に一回あるかないかなんだから仕方ないだろ」
既に食堂で待っていた叔父様が少し悲しそうにしている叔母様と嬉しそうにしているユウタをみてそう私に問う
私にとってみればすごく迷惑なんだけどとは口が裂けても言えない
勿論、叔父様にはさっきの言葉でこの事を把握しただろうけど
「お嬢様!」
「サクラどうしたの?」
突然聞こえた声にそちらの方を向けばそこには屋敷で仕事をしているはずのサクラだった
サクラには少し大きめの何かを腕に抱えて…
それは…何か嫌な予感がした
「…奥様の書斎からこれが」
今は亡き母親の部屋を掃除していたら一冊の古びた本が出てきたらしい…その本は結構綺麗に保管されていたらしくボロボロなのは表紙だけで中身は綺麗に残っていた
食事をする前に少しめくってみれば書かれていた文字に驚きを隠せなかった
「…?」
「…な、なんでもないわ……サクラこれを私の部屋に」
そういってサクラに渡せばハイッと返事をしこの屋敷にある私の部屋におきにいった
『私と同じ左右の違う瞳を持つ者へ』
さっきの本の1ページ目にはそう書かれていた
ユウタに言えるわけがない…あの本が私宛てに送られた本だとは……
私もあるなんて知らなかったし…
だが、は知らない
その本の書かれていた文字がユウタ達には読めずにしか読めないことに
そして、その本の内容での闇が広がることは誰も知らない
そのあとは得に何もなくドレスにあう髪型に整え、ドレスを着てアクセサリーを付け軽く化粧もしてもらった
…別にいらないんだけどとは口が裂けても言えなかった
みんなが楽しそうに私をドレスアップするもんだから…
今まで当主である叔母様が私のドレス選びに付きっ切りになっていたから準備が出来てないかと思われたが叔父様が頑張っていたみたいでいつの間にか素敵な会場が出来上がっていた
あまり普段と変わらないけど
時刻はすでに午後4時過ぎ、少しずつではあるが人が集まっている…
私はというと………
「何で私までここに…?」
ユウタの隣で来た人達に挨拶をしていた
「がだからだろ?」
しかも本家のな、とユウタが尤もな理由を述べた
まあ、確かにそうだろう…私は家次期当主
家が主催するパーティに参加するのは当たり前だ
ましてや現当主の催したパーティならば
だからって私がユウタの家族の如くいるのは可笑しいでしょう?
家族ではないんだから…
それに本家の子だと分かって憐れに思われても困る…だって闇の魔法使いによる呪文死とされてるが、実際は私が殺したんだから
その事実を知るのは今はまだ私と同い年のユウタだけ───
このあとも増えることなんてないと思うけど
「久しぶりね…エレナ」
ふと聞こえた声に顔を向ければ鮮やかな金色の髪と吸い込まれるような青い瞳を持った女性と若干女性より色が濃い金髪にエメラルドグの瞳を持った自分と同じぐらいの女の子がいた
二人とも落ち着いた色のドレスを着ており、すごく似合っていた
その髪と瞳が羨ましいと思ったのは今はまだ伏せておこう
「あら?お久しぶりね、セレ」
「体の方は大丈夫かい?セレナール」
「えぇ…最近は体が軽いの」
「そう?……あぁ、セレは初めてだったかしら?」
エレナはそう言うと、とんっとの肩に手をおいた
セレと呼ばれた女性は叔母様の行動で私に目を向けると少し驚いた顔をした
「まさか…」
「そう…姉さんの子」
エレナの姉さんの子と言う発言には若干だが肩を震わせた
まだあの時の恐怖は消えてないのだ
一生消えないような…そんな感じで心に傷が今もなお残っている
「……初めましてマダム。・と申します」
「私はセレナール・セレス…でこの子が娘のセレナ」
「初めまして…」
「とても素敵な髪色ね…羨ましいわ……私には似合わないでしょうけど」
うっすらと笑みを零して思ったことを正直に話せばセレナは褒められてる事に慣れてないのか少し顔を赤く染めてありがとうと呟いた
「……は今年ホグワーツなの?」
「えぇ、マダム」
「マダムって呼ばないで、セレで良いわよ…この子もなの。もし良かったら仲良くしてあげて」
「えぇ、勿論!よろしくねセレス」
「うん…って呼んでも?」
勿論よと嬉しそうに笑みを零せばセレスはマダ…セレさんから離れて私の手を掴んだ
「…行ってきなさい」
「ありがとう叔父様」
私はセレスを引っ張って家の奥であるパーティ会場へ足を踏み入れた
───初めて自分の心を見せても良いといえる大切な人ができた気がした
『が嬉しいのなら俺はそれでいい……我が────』
誰かが何処かでそう呟いた気がした───

☆あとがき☆
こんな気持ちになったのは初めて…