キャリーケースをガラガラと引きずりながら長めの赤い髪を持った少女…は歩いていた



「日本なんて…久しぶり」



しかも、昔の家に住むなんて…一人じゃ広すぎる……

まぁ、捜し物をここに連れて来れば良い話なんだけどね…

はニヤリといたずらっぽい笑みをこぼし自身の家の門をくぐった

因みにの両隣は並中…いや並盛一の不良、雲雀恭弥の家と並中の泣く子も黙る生徒会役員…黙らせられるのは一人だが、藤崎梨奈の家だ

家の人が全員赤毛赤目と知るのは梨奈だけであり、恭弥は知らない



「あれ?帰ってきたの?」

「……梨奈、久しぶり!今帰ったんだ」

「明日から並中でしょ?」

「…うん」



梨奈の情報網を嘗めてはいけない

一般市民の情報からどこかのマフィアの情報ありとあらゆる情報を梨奈は持っている

それで何度も私は助かったのだが……



「…そうだ!雲雀にそれは言ってないから」

「はぁ?なんで恭弥に教えてないのよ」

「教えるのはの仕事だし…それにその髪色で雲雀に会う気?」



君の弟はその髪色だけどとクスクスと笑いながらの家に入る



「で、なにかご用かしら?『エルディーレ』」

「日本に来て早速で悪いんだけど…これお願いできる?『英国の姫君』」



梨奈は鞄から一枚の写真を取りだしに見せる



「…プルッセオファミリーの部下なんだけど……チョッとばかし罪を犯してね……暗殺願いよ」

「…あのさ、貴女は情報屋であって、なんでも屋ではないでしょ?」




は少し埃をかぶったカップを少し洗いインスタントの珈琲を入れお湯を注いだ




「頼まれる気はなかった…アタシは自分を守るので精一杯だし」

「…じゃあ!なんで?」

「その男、並中に先生としているのよ…」




はぁ…と溜息を吐きながら梨奈が並中と言えばは並中にいるであろう自分の弟と幼なじみ…そしてあの子を思い浮かべた

まだ、あの子がボンゴレの次期ボスだとは知られてないだろうが、アイツが次期ボスなのは知られてる───赤目赤毛で学校行ってるし…トマゾは知らないけどね




「……良いわ、引き受ける」

「よろしく♪」




まるで、それが目的であったかのよう(まぁ、目的だったのだが)に梨奈は笑いをみた

外では小学生であろう子供がガヤガヤと騒いでる……恭弥のいない時間で良かったね子供達




「リボーン!お前一人で行けば良いだろ!?」

「うるせぇー黙れダメツナ」

「………私嫌な予感するんだけど…」

「同じく…じゃあ帰るね」




外から聞こえる小学生以外の声に2人は溜息を吐き残りの珈琲をグビッと飲み干した梨奈はの家を出て行った




「……てか、今帰らないほうが良かったんじゃ無いの…?」




カップを流しに入れながら呟いたの疑問は梨奈の耳に入ること無く消えた








「リボーン!ここの家に何の用なんだよ!しかも全部の家金持ちっぽいし…」




少年がジィーと三軒の馬鹿でかい屋敷をみている

一軒は和風、残りの二軒は普通の家と同じで馬鹿でかい




「良いから、お前はついて来ればいい!」




リボーンと呼ばれた赤ん坊は銃を取りだし少年に銃口を向けた




「ここはイタリアじゃないからそれ仕舞ったらどう?…黄色のアルコバレーノ




の家から出てきた梨奈はまだ着慣れない並中の制服を着ている少年の隣にいる赤ん坊に声をかけた




「……生徒会副会長の藤崎先輩?」




因みに述べておこう女子の生徒会役員と風紀委員の制服はリボンかネクタイ…尤も、それに所属している女子でネクタイを着けているのは梨奈しかいないので梨奈は有名だ




「お前が情報屋の『エルディーレ』か?」

「……なにかご用で?」




梨奈は、リボーンの言葉に反応し、瞬時に表情を変えた。そう…感情も何も写さない無表情の顔だ

尤も、梨奈は自分の持っている情報を基本お得意様しか教えない

だから梨奈の情報が欲しいのならばそのお得意様から紹介してもらうか、合言葉を見つけるしかない




「…ピューマのボスからの紹介だ」




赤ん坊ことリボーンはニヤリと笑いスラスラと嘘を並べた




「…あの子の父親からの連絡はないけど?……で、沢田くんはどうするの?」

「え?……オレは…」




はぁ…本当にこれでボンゴレの次期ボスなのかって心配になるわ…

梨奈は溜息を吐き自分の家の扉を開け沢田綱吉とリボーンをいれた




「先輩の家…隣じゃないんですか?」

「…あぁ、あれね友達の家。暫く留守だから掃除頼まれてて」




嘘ではないからニコッと笑えば綱吉は恥ずかしそうに目を反らした




「…で、合言葉は?」

「『噂で聞いた話は信じるな』…だったか?」

「チッ……どんな情報をお求めで?リボーン」




2人をリビングに連れ込んで綱吉には冷たいお茶をリボーンにはインスタントの珈琲を入れて自分は昨日作ったレモンのハチミツ漬けをお湯に落とした




「『英国の姫君』と『片翼の王子』についてだ」




梨奈は飲み物を飲む手を止めリボーンをみた




「リボーンごめんなさいね…その二人の情報は基本売らないようにしてるの……でも、理由は?」




て、『片翼の王子』はアンタの近くにいるじゃないの……




「『英国の姫君』は日本に何時戻って来るのか『片翼の王子』は行方だ」




あ……リボーンは知らないのか?『片翼の王子』が誰なのかを…………




「その前に一つだけ質問…アナタは『片翼の王子』が誰だか知っているの?」




……それじゃないと教えられない。だって『片翼の王子』は『英国の姫君』…の弟の事なのだから──




「アイツだろう?」

「……あのね、アタシは固有名詞を聞いてるの!アタシを試そうとするならそこの次期ボンゴレのボスと一緒に出てって頂戴」

「せ、先輩!オレのこと知ってるんですか!?」

「…アタシは生徒会役員よ?生徒全員の名前と顔と性格とかは全部頭の中に入ってるわ」




きっと、沢田君が聞きたいのはこのことでは無いだろう…自分がボンゴレだと言うことを何故知っているのか…しかし、アタシは情報屋知っててもおかしくない筈でしょ?

梨奈はリボーンをギロリと睨みながら綱吉の言葉に答える

──それに、あの子が大切にしている男の子だからね…

調べるのは当たり前




「……仕方ない、『片翼の王子』の行方は『英国の姫君』が既に見つけてる……『英国の姫君』の事は黙秘だ」

「……そうか、お前」

「そうそう、情報料だけど、アタシをボンゴレに誘わないってことで」




アタシの本名を知らない奴に誘われたくも無いしとあくまでリボーンにそう伝えばリボーンはクルリと体の向きを玄関に向け揉み上げを触る




「…ツナ帰るぞ」

「えっ?…あ、先輩ありがとうございました」

「アナタだけなら何時でも生徒会室おいで…色々聞いたあげる」





梨奈はわざとアナタを強めに言った

それに気付くことなく綱吉は、はいっ!と頷き玄関を開けた




「沢田くん…アタシの名前、梨奈でいいから」

「…はい、じゃあオレもツナって呼んでください」




梨奈は辺りを見回しリボーンがいないことを確認し綱吉に微笑んだ





「……『片翼の王子』によろしく」

「え?」

「じゃあねツナ」




綱吉の耳元でそう呟き梨奈は家に入ろうとした




「…梨奈姉さんっ!!」




ツナが通ろうとしていた門には赤毛赤目の男の子が立っていた




「「颯太!?」」

「ツナもいたのか…」

「じゃあ梨奈先輩さようなら」




ツナは危機を感じすぐにその場を立ち去った




「……『英国の姫君』に殺されることを覚悟してなさい『片翼の王子』」




梨奈はニコリと笑い颯太の耳元で囁く

その一言で颯太は一瞬ピャリと固まり次の瞬間にはフラフラとその場を立ち去った




「何がしたかったの?」




梨奈の一言は誰にも聞かれることなく静かに消えた

しかし、颯太が聞きたかった用事は今の言葉で済んだのだ

昨日感じた凄く背中が凍るような寒気の理由であるかもしれない姉…のことを聞きたかったのだから









後書き

主人公はオリキャラでは、無いはずだ、、、
H22年11月27日加筆修正